【雇用保険改正:後編】育児・介護・高年齢被保険者は規程変更が必要に

法改正

先日の記事、「【前編】雇用保険改正:雇用保険料率が変更になります」では雇用保険料率の変更を取り上げましたが、今回の雇用保険改正はそれだけではありません。施行日が少し先なので、みな大騒ぎしていませんが、後編の今回は、雇用保険料率の変更も含めて、重要な改正を施行日順にお伝えします。

平成28年4月1日施行:雇用保険料率の引き下げ

労働者負担4/1000と事業主負担7/1000で併せて、雇用保険料率は11/1000に

これから行う年度更新の際、概算保険料と確定保険料の雇用保険料率が異なりますので申告書作成には注意してください。

平成28年8月1日施行:介護休業給付の給付率の引き上げ

休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の67/100に

現在は40/100です。なかなか申請が増えない介護休業給付ですが、介護については早急にとりくむべき社会問題です。制度をご存じない方もいらっしゃると思いますので、ご担当者様がまず制度を理解して、該当従業員が介護のために離職せずに復帰できるよう、制度を利用するように薦めてあげてください。ご不明点等ございましたら遠慮なくお問合わせください。

平成29年1月1日施行:高年齢被保険者の創設

平成29年1月1日以降、新たに採用される65歳以上の雇用者も雇用保険の対象に(※ただし保険料は平成31年度分まで免除のまま)

60歳以降も再雇用で働く方が多くなってきました。今までは65歳以上で入職したら雇用保険の対象外で、もちろん保険料徴収もなく、失業しても給付はありませんでした。この範囲を拡大しようというものです。

保険料について

保険料は、65歳より前に採用された方が、64歳に達する年度の初日(4月1日)から免除で免除高齢者という扱いになっていました。これが平成32年度分からは雇用保険料徴収に変わるのです。恐らく給与ソフトで年齢判定や保険料徴収が設定できると思いますが、ご担当者様はまずこの改正を知っておくことが大切です。これは本当に大きな改正です。

平成29年1月1日施行の改正は他にも下記があります

  • 介護休業給付金の分割取得可能に(93日の範囲で3回に分けて取得可能に)
  • 介護の為の所定外労働の制限の新設
  • 介護の為の所定労働時間の短縮の措置の改定
  • 期間雇用者の育児休業と介護休業の申し出要件が変更
  • 育児休業給付金の支給対象となる子の範囲が拡大
  • 子の看護休暇と介護休暇が半日単位でも取得可能に

こんなにあるんです!そして、今回の改正に伴い、育児休業規程と介護休業規程がある企業は平成29年1月1日から規程変更が必要になります。そう、今年中に準備しないと!なのです。

平成32年4月1日施行:施行日時点で64歳以上の雇用保険被保険者の保険料免除が廃止に

上記の「平成29年1月1日施行:高年齢被保険者の創設」でお伝えした通りです。

【雇用保険改正:後編】まとめ

マイナンバーも入ってきて年末は恐らくぐちゃぐちゃになるのに、規程も変更?!と今年は担当者泣かせの一年になりそうです。今回お伝えした雇用保険の改正スケジュールを覚えておいてくださいね。また施行日が近くなったらリマインドいたします。
雇用保険料率の変更に関しては前篇でまとめていますので、こちらもご覧ください。

▼前編はこちら
【前編】雇用保険改正:雇用保険料率が変更になる予定です

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