平成28年4月1日から平成29年3月31日までの雇用保険料率が変更になります。雇用保険法等の一部を改正する法律案が国会で成立したためです。労働者負担は1/1000が、事業主負担は1.5/1000が引き下げになるので、労働者や事業主の皆様には「やった!」という改正内容です。
労働保険関係(労災や雇用保険)の料率改正については、ずいぶん前にもありましたけれども、なかな決定せず4月に入ってからやっと決まった!なんていう遡り適用もあります。
平成28年度の雇用保険料率(一般の事業の場合)
労働者負担 | 事業主負担 | 雇用保険料率(合計) | |
平成28年度 | 4/1000 | 7/1000 | 11/1000 |
平成27年度 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
新雇用保険料率は、4月1日以降の労働に対する賃金から適用
雇用保険料率は賃金締切日を基準として取り扱います。当月締め・当月支払いの場合は、4月支給分より変更になり、当月締め・翌月払いの場合は、5月支給分より変更になります。
分かりにくいので、例を挙げて解説します。
- 勤怠が末締め(3月1日から3月31日まで働いた分)で、給料支払が翌10日(4月10日)の場合
お給料は雇用保険料率改正後に支払われていますが、3月に働いた分に対して支払われるものなので、4月10日に支払われるお給料では旧雇用保険料率で計算します。5月10日に支払われるお給料から新雇用保険料率で計算します。 - 勤怠は末締め(3月1日から3月31日まで働いた分)で、給料支払が当月25日(3月25日)の場合
3月25日はもちろん3月に働いた分なので旧雇用保険料率で計算します。4月25日に支払われるお給料から新雇用保険料率で計算します。
なんだかややこしいですね。料率適用の考え方は労働保険と社会保険では違います。社会保険では支払われた月ベースで考えるのですが、労働保険ではあくまで何月に働いた分なのかということをベースにします。この内容は給与や社会保険・労働保険のセミナーで毎回お話しするのですが、ご存じない方が多いようですので、ちょっと書いておきました。
【雇用保険改正:前編】まとめ
雇用保険料率の引き下げは、労働者や事業主には嬉しい改正ですね。雇用保険料率の変更だけでなく、雇用保険の改正内容はまだまだあります。後編でまとめていますので、続けてご覧ください。
今年は久しぶりに労働関係の改正ラッシュとなる予定です。THE STAR社労士事務所のブログでは、いち早く改正情報を取り上げていきますので、ぜひ今後もチェックしてくださいね。