平成28年4月からの健康保険法改正、今日は傷病手当金や出産手当金の計算方法の変更についてお話します。この二つの手当金は該当者がいる、または今後必要になりそうな人がいる時に「いったいいくらもらえるんですか?」と事前に聞かれる機会が多いと思いますので、よく理解して該当者に説明できるようにしてください。
各手当金概要
ごく簡単にご紹介します。
- 傷病手当金:業務外のけがや病気で会社を4日以上休んでお給料が出ない場合、4日目から支給され、最長1年6ヶ月もらえる手当金です。
- 出産手当金:出産のため会社を休みお給料が出ない場合、出産予定日以前42日と出産日後56日までもらえる手当金です。(出産予定日より実出産日が遅れたらその分ももらえます)
いくらもらえるのか
計算方法は今まで自分の標準報酬月額を30日で割って算出した標準報酬日額の3分の2でした。この方法で今までずっと計算して支給されてきたのですが、どうやら傷病手当金の額を上げるため、直前に故意に報酬を上げたりする方がいたようです。そのため平成28年4月からは被保険者期間に応じ、次のように変わります。
被保険者となって1年以上経っている人の場合
手当金をもらう月以前1年間の各月の標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2
被保険者となって1年未満>の人の場合
1と2のいずれか低い方
- 被保険者となってからの全加入期間の標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2
- 加入している健康保険(協会健保または組合健保)の平均標準報酬月額の30分の1
↑この2は曲者です。協会健保と組合健保では平均標準報酬月額がかなり違います。
ベースとなるのは以前と同様、標準報酬月額を30で割り、算出した日額の3分の2です。原則としてこの標準報酬月額は年間平均するというのが改正点です。そう考えるとあまり変わらないかしら?入社してすぐの方の計算がちょっと面倒かもしれません。