平成28年4月からの健康保険の改正点についてお話いたします。今回の健康保険改正の目玉は2つじゃないかなと思います。標準報酬月額の上限額が増えることと、傷病手当金や出産手当金の計算方法が変わるということです。特に今日お話しする標準報酬月額の上限等級の増設は主に社長や役員の方々に関係してくることです(その他の高給取りの方々もですが)。私もそろそろ顧問先のご担当者様にお話し始めておりますが、多くの会社では社長や役員の報酬について年度で決定し(そもそも報酬額をちょくちょく動かせないんですよね)保険料の額も計算しているかと思います。この保険料が4月分から変わるのです。「うわ~散々計算してこの報酬額に決めたのに~」そんな声が聞こえてきそうです。
健康保険の標準報酬月額の上限増設
健康保険の保険料は皆さんの給与・手当・残業・交通費の合計から一人一人割り出すわけではなく、一定の金額内で「この金額の範囲内の場合はこの一定金額に保険料率を掛けて保険料を割り出そう」というルールを取っていることはご存知かと思います。この一定金額のことを【標準報酬月額】と呼びます。今までこの標準報酬月額の最高は1,210,000円でした。ですからこの金額以上の報酬をもらっていても保険料はこれで頭打ちだったのです。報酬が200万の人でも300万の人でも。
今回の改正で今年の4月分の保険料からこの上限額が更に3つ増えることになりました。
追加されるのは次の3つです。
標準報酬月額 | 報酬の範囲 |
1,270,000円 | 1,235,000円以上1,295,000円未満 |
1,330,000円 | 1,295,000円以上1,355,000円未満 |
1,390,000円 | 1,355,000以上 |
つまり上限が1,355,000円となった訳ですね。この標準報酬月額に都道府県別の保険料率をかけると保険料が算出できるのですが、私たちは普段【保険料額表】というものを用いて保険料を見ることが多いと思います。この新保険料額表は2月末から3月上旬に公表されるようです。(平成28年1月18日協会健保に確認した情報です)
今回の上限改訂の該当者には決定通知が郵送されてきますので、特別こちらから手続する必要はありません。4月分ですよ。お待ちがえなく。
標準賞与額の累計上限改定
そして標準賞与額の上限も改定されます。標準賞与額とは実際の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てたものです。今までは4月から3月の年度で累計540万円で頭打ちになっていました。この累計額が573万円と微妙に上がります。
今回の改正は「お給料を沢山もらっている人から保険料も沢山もらおう」ということでしょうか。